コードバン、ヌメのナチュラルカラーが以外にも好評。コードバンでこの色って、確かにあまりないですよね。手持ちの革がなくなってきましたので、再度仕入れました。今度のは60デシ(1デシ=10cm角)とデカい!ナチュラルカラーはメガネと呼ばれる、この状態で入ってきます。馬の左右のお尻がつながった状態ってこと。今回のはいいタン色しています。コードバン独特のキメ細かさ、牛革にはない濃淡、この半艶感が最高です。う~ん、何か小物を作りたくなってきた・・・・
コードバンの革については、以前、コラムで説明していますが、ここでもう一度おさらいしておきましょう。
コードバンとは、重量馬の尻の革です。1頭から採れるコードバンはごく僅かで、
通常知られる馬からは採れずヨーロッパ地方の農耕馬からのみごく少数生産されます。
農耕馬自体年々生産量が低下していて入手困難な素材になると言われ続けています。
その希少性と、質の高さにより動物皮革の中で特に高級品として扱われています。
コードバン最大の特徴は、そのキメの細かさです。
一般的な革はコラーゲン繊維が複雑に絡み合いながら横や縦に変化しながら流れています。牛革の床面を撫でると、繊維の向きを感じられると思います。
流れの向きは一定ではないので、ベルトや持ち手など丈夫で伸びてはいけない作品作りには、手で確認しながら裁断する向きや場所を決めます。
それに対しコードバンは、コラーゲン繊維が真っ直ぐと縦に並んでいます。
通常革は、『床』と呼ばれるベースと『吟』と呼ばれる表皮の2層構造なのに対し、コードバンは、裏と表から削りだした『床』のみの1層構造。
床面は普通ザラザラしていますが、コードバンのキメの細かさは磨き上げる事によって牛革の吟面よりもなめらかでしっとりとした質感と上品な光沢を生み出します。
2層構造の一般的な革は、手入れを怠ると吟面と床面に『浮き』が生じる。
単層構造のコードバンは『浮き』が生じないので末長く愛用されます。
革の表と裏からキメの細かい層を削りだす独特な採取方法から宝石採掘の様で突出した丈夫さと品質から革のダイヤモンドと称されています。
さらに、いつどのように発見され使用されるようになったのか、そのルーツも謎で特異な革と、その希少性から『幻の革』と呼ばれています。
2013/1/5
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